夢の中で会いましょう・4

もも様とのコラボ作品です。

瑠璃ちゃんサイドです。

**********

『 夢の中で会いましょう・4 』

「姫様、何か嬉しいことでもあったのでございますか?」

「えっ?何よ、急に。」

小萩が顔をニヤニヤさせながら更に聞いてくる。

「ふふふ。わかっておりますよ。
 先ほど高彬様から届いた御文のおかげでございますね。」

へ?高彬の文?
いやいや、あんなの全然楽しくもなんともないから。

自分は別の女のところにいるくせに、ぐちぐちと説教じみた内容だったのだ。
どうやら先日あたしが父様に鷹男の事を聞いたことが高彬に漏れたらしく・・・・
くれぐれも文を書いたりしないように!みたいな内容の色気も素っ気もない文だった。

「あー、うん、文ねぇ・・・・・・」

小萩に本当の事を話すわけにもいかず言葉を濁すと、

「姫様!高彬様が若い女と一緒になろうがなんだろうが関係ございません!
 高彬様が一番愛しておられるのは姫様なのですから!!」

何がどうなったらそう思うのか。

「そう?最近じゃあほとんどこっちに来ないし、あたしの事なんてどうでも良いんじゃないかな?」

「まぁ!なんてことを!!
 高彬様はいつでも姫様の事を一番に考えておられます!
 その証拠に・・・・・・・っ・・・・」

ん?
その証拠に・・・・・何?
そう思って小萩をじっと見ると、小萩はしまった!と言った顔をしている。
なるほど、そういうことか。

「高彬にあたしを見張るように言われてるの?」

って、単刀直入に聞いてみると、

「見張るだなんてとんでもございません!
 姫様のご様子が気になるから逐一教えて欲しいと頼まれただけでございます。」

やっぱりそうか。
やけに高彬が最近のあたしの言動を知っているような感じがしていたけど・・・・まさか小萩にあたしの見張りを頼んでいたとは。
小萩は小萩で高彬に上手い事丸め込まれちゃってるし。

これからは小萩に変な事言わないように気をつけなきゃ。
そう気を引き締めた。

「わかったわかった。でもあまり変な事言わないでよね。」

そう言うと、小萩はようやくホッとしたような顔をした。
そして再びにやにやして。

「明日にはこちらへいらっしゃるそうですよ。」

なんて言い出した。

「そうみたいね。」

説教じみた文に、明日はそっちに行くから色々と聞かせてもらうからね!と偉そうな事が書かれていた。
なーんか嫌。
これがあたしの望んだ結婚だったのだろうか?
世間一般的には絵に描かれたような夫婦なのかもしれない。

家柄の良い姫(あたし)と出世が約束されている婿(高彬)は政略結婚ではなく、幼馴染同士の恋愛結婚。
普通の姫君ならほとんどありえない設定ではあるし、あたしもそれを望んでいた。

なのに・・・・・
なのに・・・・・

あぁ、もう!!考えるのは止めよう。

「今日は疲れたからもう寝るね。」

小萩にそう言って。
早々に褥に横になった。




それにしても・・・・
あたしってば小萩がわかるくらい嬉しそうな顔をしていたかしら?
勿論理由は高彬の文ではない。

単なる良い夢を見たからだ。

昨日の夜、多分初めて鷹男の夢を見た。
懐かしかったし、やけに現実みたいな夢だった。
夢の中の鷹男は相変わらず凛々しくて、優しかったなぁ・・・・・

帝である鷹男と結婚することなんてあり得ないことだったけど・・・・
もしも鷹男が普通の貴族だったら・・・・惹かれていたかもと思わずにはいられない。

ううん、きっとそれは幻想だからそう思うのよね。
過去の思い出はあたしの中で美化されて。
きっと昨夜夢で出てきた鷹男も想像以上にイケメン化されていたに違いない。

それでも・・・・
夢でも会えて良かったなぁ~なんて起きた時に思ってしまった。

また夢で会いましょうなんて言われたけど・・・ふふふ。それって結局はあたしの願望なのかな?
流石の高彬もあたしの夢にまでケチはつけられないだろうし。
もしもまた見れるものなら・・・・
会えるものなら鷹男に会いたいなぁ・・・・・

そんな事を考えながら・・・・やがて深い眠りに落ちていった。



**********



「瑠璃姫、お待ちしておりましたよ。」

昨日と同じ、うすぼんやりとした世界に鷹男が立っていた。
まさか二日連続で同じ夢を見れるなんて!!

「どうしました不思議そうな顔をして。」

「え?だって夢って見ようと思って続きを見れる訳じゃないじゃない?
 なのにどうしてまたこうして鷹男と会えたのかな?って。」

「ふふふ。言ったでしょう?強く願えばまた会えますと。
 姫、私に会いたくて強く願って下さったのですね。」

「ち、違うからっ!!」

鷹男がそんな事を言ってからかうから、夢とわかっていてもついつい顔を赤らめて反論してしまった。

「違うのですか?私は今夜も姫に会いたくて、昼間からずっと願っていたというのに。」

そんな事を言って悲しそうな顔をするの反則だから!
もう、何て言っていいかわからないじゃない。

ええい!どうとでもなれ!これは夢なのだから!!

「あ、あたしも・・・・ちょっとだけ思ってたよ。また鷹男に会いたいって。」

そう言ったら、鷹男は心底嬉しそうな顔をした。
そして・・・・

「では行きましょうか。」

そう言ってあたしに右手を差し出してきた。

「え?どこに行くの?」

「色々と準備しておきますと言ったでしょう?」

そう言うと、無理やり手を繋がれて。
そのまま手を引かれて歩き出した。

やがてぼんやりとした世界が薄れてきて・・・・・・

「ええっ!?これって!!?」

「市です。姫、こういう所お好きでしょう?」

「一度来てみたかったの!!」

頬が紅潮するのがわかった。
巷で噂の市。
色々なお店が出ていて超楽しい!って女房達が言っていたから、一度来てみたかった。
でもうちの父様と旦那様が許してくれるはずもなく。
今となっては内緒で夜の町に繰り出す元気もなくなっていて、半ば諦めていたのだ。

凄い凄い!!
思わず夢中になって、今度はあたしが鷹男の手を引いてあっちの店、こっちの店と覗き始めた。

鷹男に真っ赤な簪を買ってもらって、さっそくそれを髪につけて。
訳のわからない遊びをしたり、唐渡の不思議なものを見たりした。

「姫、向こうで一緒にこれを食べましょう。」

いつの間にか鷹男が勝ってきてくれたお団子を、少し静かな場所で二人で食べた。

何もかもが初めてで。
何もかもが楽しくて。
そして不思議だった。

あたし、市なんて来た事もないのに、どうしてこうして夢で見れるんだろう?
夢なんて自分で知っているものしか出てこないと思っていたのに。

そんな疑問を鷹男にぶつけたら、さらっと言われた。

「夢なのですから気にすることなどありませんよ。
 それにこの市が本当の市と同じかどうかなんて誰にもわからないでしょう?
 今が楽しければそれで良いではありませんか。」

思わず、「確かに!」なんて言ってしまった。

鷹男の言うとおりだ。
夢なのだから、今が楽しければそれでいいではないか。

めいいっぱい遊んで。
やがて辺りが霞んでくるのがわかった。
そろそろ夢から覚めるのだろう。

「姫、一つ提案があります。」

「なーに?」

「次お会いした時に言います。」

「何よそれ。変なの。」

「それまでに色々と準備しておきますね。」

またそんな事を言ってきた。
どうやら今回の市のように、また何か準備してくれるらしい。

「わかった。楽しみに待ってる。」

そう言って笑ったら。
急に鷹男の顔が真面目になって・・・・・

ふわっと・・・・ほんとうにふわっと音がするかのようにそっとあたしの左頬に触れてきた。

そして。
何か言いたそうな顔をしたまま微笑んで。



そこで夢から覚めた。




続く



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