夢の中で会いましょう・2

もも様とのコラボ作品です。

瑠璃ちゃんサイドになります。

**********

『 夢の中で会いましょう・2 』


「父様、ちょっとイイ?」

珍しく家にいる父様の元を訪れたのはどうしても聞きたいことがあったからだ。
あたしが父様の元を訪れる時はろくな事がないと知っている父様はあからさまに嫌な顔をした。

「無理難題は聞かぬぞ!
 高彬殿の話もだだ!!」

「わかってるわよ。」

全くあたしの事をなんだと思っているのか。
別に無理難題を言うつもりもないし、高彬の話をするつもりもない。

高彬との事は・・・・もう諦めた。

お互い結婚したくてしたくて。
色々な障害を乗り越えて、ようやく結婚したのに。
結婚生活は思ったほど楽しくなくて。

高彬もきっとそうだったんだと思う。
うちに来る回数が少しずつ減りだして。
結局一年も経たないうちに、高彬はあたし以外の人を正妻に迎えた。

兵部卿宮の二の姫。

元々二の姫と結婚させたがっていた高彬のお母さまの懇願に負けたらしい。
高彬はわざわざあたしの所に来て、頭を下げて必死に謝っていた。
なんだかその姿が滑稽に思えた。

一生あたし一人だけと言ってくれる人がいい!!

そう言い切っていた自分が惨めに思えたからだ。

高彬は二の姫と結婚した後も、あたしの所に良く通ってきてくれた。
だけど、勿論二の姫への気遣いもあるからその回数は少しずつ減っていき・・・・
それと共に互いの気持ちも冷めていくのがわかった。

それでも良いと思っていた。
穏やかに日常を過ごせるのならそれでも。

でも・・・・・
つい先日高彬から告げられた言葉はあたしを失望させた。

「実はね、兄さんにどうしてもと頼まれて、とある姫君と会ったんだけどね・・・・」

言い難そうに途切れ途切れに話しだした高彬が最後まで言う前にわかってしまった。
そっか。
今度はその姫君を娶るんだって。

どこぞの姫君とか言ってたけど、そんなこと全く興味もなくて耳に入ってこなかった。
そして最後に言われた言葉に衝撃を受けた。

「子供をね・・・・・早く作れって・・・・・父上も母上も煩くて・・・・」

あぁ、なるほどね。
結局はそこか。
あたしも二の姫も高彬との間にややがいない。
高彬のお母さまがそれをとても気にしていることも知っている。

「うん、わかったよ。」

あたしが微笑んでそう言うと、高彬は心底ほっとしたような顔をしたのを覚えている。

結局あたしが望んでいたものは・・・・何だったんだろうか?

その後、一度だけ父様に高彬と離縁したいって言ってみたんだけど、めちゃくちゃ怒られて。
それ以来口にしていないんだけど、父様の方がなんだか敏感になっているみたい。

でも今日はそんな話ではない。

「ちょっとだけ聞きたいことがあったの。 
 ね、たか・・・・主上の御体調が悪いって聞いたんだけど本当なの?」

父様の顔が厳しくなった。

「お前が何故主上の体調など気にする?」

東宮時代に求婚の文が届いたり、即位して帝になった後も何度もあたしに文をよこしたりなんだりしていたから敏感になっているらしい。
そのせいで高彬との結婚が遅れたのは間違いないのだけど。

「そりゃあ・・・・・一応お文を頂いたりした事もある方だし・・・・」

因みに父様にはあたしと鷹男が共に入道事件を解決した仲だとは言っていない。
言ったら卒倒しちゃうだろうし。

「お前が気にする事ではない。」

「気になるわよ!いいわ。じゃああたしが直接お文を書いて・・・・」

「ば、馬鹿者!!!どこの世界に帝に気軽に文を書く女子がいるのだ!!」

「此処にいるけど?
 藤宮様にお願いすれば届けてくれるしー。」

と、ちょっと脅してみたら、渋々口を開いてくれた。

「主上の御体調がすぐれないのは確かな事だが、案ずるほどでなないと和氣様から伺っている。
 多分東宮問題に頭を悩まされておられるのだろう。」

あぁ、確かに。
鷹男には二人のお子様がいらっしゃるけど、二人とも皇女様。
東宮となるべく男皇子誕生が望まれていることは知っている。

「良くわからないけど・・・・・二人も子がいるんだし出来ないわけじゃないんだから頑張って子作りすればいいのよ。」

って、ついつい言ってしまったら、父様に鬼のような形相で怒られた。
まぁ、言い方悪かったかもしれないけどさぁ、そういうことじゃない。

「とにかく!お前が思っているほど単純な問題ではないのだ!
 だがお前が気にすることでもない!
 お前はとにかく高彬殿の事だけ考えていればいいのだ!」

そう言ってからハッとしたようにあたしを見て言った。

「万が一にもないとは思うが・・・・・主上に文など書いてはならぬぞ!!」

「わかってるわよ。流石にあたしもそこまでしないわよ。」

何度も鷹男の誘いを断っておいて、今更野次馬のような文なんて書けるわけない。
さっきのは父様を脅す為の言葉だし。

まだがみがみ何か言っている父様の部屋を後にした。
結局のところ明確な答えはもらえなかった。

鷹男・・・・・大丈夫なのだろうか。



あたしが何故こんなことを心配しているのかというと、藤宮様からお文を頂いたからなのだ。
藤宮様とは先の帝の第八皇女様で、鷹男にとっては叔母様にあたられる。
入道事件をきっかけに仲良くして頂いている。

その藤宮様から、鷹男の体調不良の事を聞かされたのだ。
このままだと帝を辞する事もしかねないから、何とか話を聞いてやって欲しい。
一度文など書いて欲しい・・・・って言われたのだけど。

流石に人妻のあたしとしては気軽に、じゃあ一緒に後宮に行きましょう!とも言えず。
かといって、文を書くのもどうかと悩んでいたところだ。

で、それとなく情報を引き出そうと高彬に鷹男の事聞いてみたら・・・・・

「まさか瑠璃さん、未だに主上と文をかわしていたりするの!?」

って嫉妬に塗れた目で見られて。
勿論否定したけど全然信用してくれなくて。

それ以来鷹男のたの字を出そうもんなら酷く機嫌が悪くなってしまって・・・・
何も聞けずにいる。
それで父様に聞いてみたのだけど・・・・

うーん、あの感じだと鷹男、案外想像以上に悪いのかも。

なんか今更高彬の機嫌が悪くならないようにって、顔色伺うのもしゃくだけど、やはりこれ以上夫婦仲を悪化させたくはない。
だから今のあたしにこれ以上出来ることはないかもしれない。

そう思って、この事に関して動くことは止めにした。

でも・・・・・
そんな事を考えてばかりいたからなのか。


ある夜あたしは鷹男の夢を見た。




続く



ランキングに参加しています。ポチッと応援よろしくお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ



関連記事
ポチッとして頂けると嬉しいです!
web拍手 by FC2

コメント

Secret

FC2カウンター

プロフィール

りく

Author:りく
まず最初に ◆はじめに をお読み下さい。

最新記事

ランキングボタン

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

最新コメント

カレンダー

09 | 2020/10 | 11
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

カテゴリ

オンラインカウンター

現在の閲覧者数:

Twitter

Copy Code

リンク

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブログ村ランキング

検索フォーム

QRコード

QR

RSSリンクの表示