好きの境界線・14

1111111hitキリリク作品、現代のお話です。

リク主:まっしろん様
リク内容:鷹男、秋篠さん、瑠璃の三角関係のお話

ちょっと切ない感じ・・・・

**********

  『 好きの境界線・14 』


「美玖さんの具合はどうですか?」

「あ、う、うん。もう大丈夫みたいだよ。」

「良かったです。」

「うん、そうだね。」

沈黙が流れる。

久しぶりに秋篠さんに誘われた。
大切な話があるというから、ご飯でも食べに行くのかと思ったら、秋篠さんの車に乗せられて。
あたしのアパート近くの空き地に車を停めたきりしばらく黙り込んでいた秋篠さん。
沈黙に耐えられずあたしから声を掛けたのだけど…歯切れの悪い受け答え。
これって…
やっぱりそうなんだろうな…と思った。

「話って、何ですか?」

早く話して欲しい。
きっとそれはあたしの想像通りの話なのだろうから。

「瑠璃…ごめん…俺と別れて欲しい。」

「美玖さん…ですか?」

美玖さんの元に通うようになってから、明らかに秋篠さんの様子が変わった。
認めたくなかったけど、多分そうなのだろうと、ここ数日は少しずつ自分を納得させていた。
いつか話を切り出されるのだろうと、ずっと怯えていた。

あたしが美玖さんと名前を出したからだろうか?
秋篠さんは何かを吹っ切るように淡々と話し始めた。

「最初は本当になんとも思ってなかったんだ。だけど、彼女と深く話すようになればなるほど、彼女に惹かれていく自分を感じていた。」

今泣いたらだめと手の甲を強く抓った。

「それでも俺には瑠璃がいるんだと、何度も言い聞かせていた。でも…俺を好きだと言って泣いて縋ってくる彼女を振り切れなかった。とても…愛しいと思ってしまった。」

あたしもそう出来たら…
秋篠さん、美玖さんの所になんて行かないで!って縋ってたら…
あなたは行かないでいてくれるの?

いや、きっと答えは一緒なのだろう。
あたしは性格的にそうできっこないし、秋篠さんはそうする事が出来る人に惹かれたのだから。

「わかりました。」

冷めた声でそう言ってる自分の声がまるで他人のように感じた。
これは本当にあたしの声なのだろうか?

「今まで…ありがとうございました。」

「…ごめん。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・だけど瑠璃も…・・・・・・・・」

「え?」

「いや、なんでもない」

秋篠さんが言いかけた言葉が気にはなったけど、なんとなくそれがわかるような気がした。
だけどあたしは敢えてその意味に蓋をした。

「じゃあ、あたし、行きますね。」

そう言って車のドアに手をかけると、秋篠さんに一瞬その手を止められた。

「これだけは信じて欲しい。俺の瑠璃に対する気持ちは本気だったから。」

「秋篠さんってば、別れる女にそんな優しい言葉かけちゃダメですよ。」

なんとかそう言うと、秋篠さんの手が緩んだ。

「今までありがとうございました。」

それだけ言って、逃げるように車から降りた。

「瑠璃!」

最後に何か言おうとしたのか、秋篠さんがそう声をかけてきたけど、あたしは振り返らずその場を後にした。
ううん。振りかえれなかったのだ。涙を見られたくなかったから。

あっけなかった。
別れる時って、こんなにあっけないものなのだろうか?
長く付き合ってきて、積み上げてきたものは何だったのだろうか?

あたまの中を色々な想いがぐるぐるとめぐって、何がなんだかわからなくなった。

アパートまでは歩いて5分くらいだけど、その道のりがとても長く感じた。
永久にたどり着かないような錯覚すら感じた。
こんな時に何故か雨まで降り出してきた。
でも雨のおかげで、涙を隠すことが出来た。



「バカヤロウ!傘もささずに何やってんだ!」

聞き覚えのある声がしてハッと顔をあげると、怒ったような顔をした東条さんがアパートの前に傘をさして立っていた。

「東条さん、どうしてここに?」

何だろう?
雨に濡れたせいだろうか?それとも朝から体調が悪かったせいだろうか?
体が大きく揺れて、その場に崩れ落ちた。
崩れ落ちる瞬間、東条さんの腕が伸びてきて支えてくれたよう気がしたのを最後に、意識が遠のいた。



続く



ランキングに参加しています。ポチッと応援よろしくお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ



関連記事
ポチッとして頂けると嬉しいです!
web拍手 by FC2

コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
Secret

FC2カウンター

プロフィール

りく

Author:りく
まず最初に ◆はじめに をお読み下さい。

最新記事

ランキングボタン

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

最新コメント

カレンダー

08 | 2020/09 | 10
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -

カテゴリ

オンラインカウンター

現在の閲覧者数:

Twitter

Copy Code

リンク

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブログ村ランキング

検索フォーム

QRコード

QR

RSSリンクの表示