あの日のあなたを探してる・おまけ

999999hitキリリク作品、平安のお話です。

リク主:オレンジサワー様
リク内容:鷹男と瑠璃が子供時代に出会うお話

おまけ話になります。
秋篠様のお話ですww

**********

  『 あの日のあなたを探してる・おまけ 』


「秋篠様っ!!」

興味津々と言ったお顔で私を呼び止める藤宮様。
聞かれることを想像すると、少し気が引ける。

「なんでございましょう?」

とは言え相手は宮様。
きちんと向かい側に腰を下ろさせて頂き、質問に応えることにした。

「どういうことですの!?
 東宮と瑠璃様、いつの間に!?」

「それは勿論瑠璃姫様が後宮で療養していた時・・・・でございます。」

「まぁ!全然気づかなかったわ。」

残念そうにそうおっしゃる藤宮様。
相変わらずそのお顔は美しく、つい見とれてしまう。

「では既成事実が・・・・というのは嘘ではなかったのですね。」

「そういうことに・・・・なります。」

「そうでしたか・・・・・それにしても東宮も手が早いこと・・・・」

と、ぶつぶつとおっしゃっておられる姿も可愛らしい。

「何はともあれ良かったですわ。
 お互い好きあっていらしたのですものね。」

「そうでございますね。」

そう言って微笑みあった後、なんとなく気まずい雰囲気が漂った。

そう!
あのじゃじゃ馬姫がいらぬ事を言うからだ!
直接的な事を言われた訳ではないが・・・・私が藤宮様に懸想していると気づかれてしまっただろうか?

「秋篠様は瑠璃姫様には本当に未練はないのでございますか?
 まぁ、あるとおっしゃられても相手が東宮ではどうしようもありませんが。」

この期に及んでそんな事を言われ唖然としてしまった。
藤宮様は未だ私が瑠璃姫様の事を好きだと思われておられるのか?

「藤宮様、私は瑠璃姫様と東宮様の橋渡しをしていただけでございます。
 お互い男と女として意識したことなど一度もございません。」

「そうですか?瑠璃姫様はまんざらでもなさそうでしたわよ?
 東宮との事がなかったら秋篠様を選んでいたのではないかしら?」

「そんなことある訳がありません!」

と、ついつい大きな声を出してしまった。
このお方は・・・・私の気持ちに気付いてこんな事をおっしゃっておられるのだろうか?
だとしたら諦めろとのことなのだろうか?

「私には好きな方がおりますので・・・・・・」

ついついそう言ってしまったのは、興奮していたからなのか。
やけくそになっていたのか。
後で考えても良くわからない。

「それは・・・・・・」

この時、私の思考はおかしくなっていたのだろう。
後先も考えずに告げてしまっていたのだから。

「藤宮様・・・・・・私はあなたの事が・・・・・」

怪しい雰囲気に流されて。
ついつい手がすっと藤宮様の頬に伸びてしまう。
そっと触れると、藤宮様がびくりと驚いたように体を揺らされた。
そこでハッと我に返って額を床に擦り付けた。

「も、申し訳ございません!
 今言ったことは忘れて下さい!!」

しばしの沈黙。
あぁ、やってしまったか・・・・と途方に暮れていると、ふわりと肩に手がかけられるのがわかった。

「秋篠様、顔を上げて下さいませ。」

のろのろと顔を上げると、少し頬を桜色に染めた藤宮様が潤んだ瞳で私をご覧になっていた。

「今おっしゃられた事を忘れる事などできません。」

「・・・・・・それは・・・・・」

どういう意味なのだろうか?
そう思って困惑していると、今度は藤宮様のお手が伸びてきて私の頬に触れられた。
思わず体がびくっと揺れてしまう。

「ほら。急に触られたら驚いてしまいますでしょう?
 さっきの私も一緒ですわ。」

その言葉、どうとらえれば・・・・・

「藤宮様・・・・・・」

瞳と瞳が絡み合う。
あぁ、どうしたものか。
触れたい衝動が止められない。

そして、もう一度藤宮様の頬にそっと手を伸ばした。

すると、それを待っていたとばかりに藤宮様の手が私の手を捕らえ・・・・・
そのまま頬に強く押し当てられてしまった。

心臓がどくどくと異様な音を立てている。

「ふ、藤宮様・・・・・」

そう名を呼ぶと、妖艶な瞳が私を捕らえる。
まるでその瞳に吸い込まれるかのように顔が近づいて・・・・・

唇が触れそうになったその瞬間のことだった。

「藤宮様っ!!!!!」

そうした叫び声と共に、ばっと襖が開け放たれた。
見れば藤宮様の一の女房である周防が困ったような顔でそこに立っていた。
しばし流れる沈黙・・・・・

「も、申し訳ございませんでした!!!」

大慌てで部屋を出ようとする周防を藤宮様が止められた。

「大丈夫よ、周防。」

その声はいつも通り凛としており戸惑った様子はない。
流石大人の女性は違うな・・・・と感心してしまった。

その間にそろりそろりと藤宮様から離れて何食わぬ顔で周防と対峙した。

「あ、あの・・・・・」

未だおろおろしている様子の周防に藤宮様がぴしゃりとおっしゃる。

「どうしたのです?何かあったのでしょう?」

そう言われると周防が思い出したとばかりに真っ青な顔で言ってきた。

「瑠璃姫様の寝所から、何やら悲鳴のようなお声がするのです!
 何かあったのではないでしょうか?」

思わず藤宮様と二人顔を見合わせてしまった。

はぁ・・・・・・全く。
東宮様にも困ったものだ。
いくら久しぶりに逢えて嬉しいからと言っても、もう少し手加減を出来ないものか。

「周防、それなら心配いらないわ。」

「で、ですが・・・・・・」

すると藤宮様が周防に手招きをして、側にやってきた周防にこそこそと耳打ちをされた。
みるみる周防の顔が真っ赤になり。

「そ、そうでございましたか。
 それは大変失礼致しました。」

「ふふふ。そんな訳だから瑠璃様のお部屋には誰も近づけなくていいわ。
 時間になったら秋篠様がお迎えに行くと思いますから。」

「わかりました。」

周防はようやく安心した顔をすると、チラリと私をみて。

「では邪魔者は失礼致します・・・・・・」

そう言うと、部屋を出て行ってしまった。
邪魔者って・・・・・
まぁ、確かに良いところを邪魔されたといえば邪魔されたが・・・・
今更あの雰囲気に戻すのは難しい。

どうしたものかと悩んでいると、藤宮様がおっしゃった。

「秋篠様、今夜は遅いのでもう休みましょう。
 くれぐれも東宮を夜明け前に連れ帰るようにお願い致します。」

「・・・・・・・・畏まりました。」

ほっとしたような、残念なような気持ちだ。
いや、圧倒的に残念なのだろう。
こんなにもやもやしているのだから。

「では・・・・・」

と、部屋を出ようとすると、ふいに呼び止められた。

「秋篠様、今は東宮と瑠璃様の事だけ考えましょう。
 瑠璃様が無事御入内されましたら・・・・・」

じっとりと潤んだ瞳で見つめられ、思わずゴクリと唾を飲み込んでしまった。

「その時また・・・・・・」

「また・・・・?」

その続きを聞きたくて、じっと見つめていたが藤宮様は少し頬を染めて俯いてしまわれた。

「後はご自分でお考え下さい。」

そしてそうおっしゃると黙られてしまった。

「・・・・・・・・・では、失礼致します。」

悶々と考えながらじりじりと後退する。
その時また・・・・とは、先ほどの続きを・・・・と捕らえて良いのだろうか?
お顔を見る限り、嫌がられてはいないと思うが・・・・・

身分がどうとか、相手の気持ちが・・・とか。
そんな事考えていたら先に進めないのかもしれない。

相手が例え私の従者であったとしても、入道の手先だったとしても、それでも良いと思って突き進んだ瑠璃姫様。
その影響なのかもしれない。

私は部屋を出る瞬間、人生最大の勇気を振り絞って言葉にした。

「いえ。入内までなど待っておれません。
 今夜また・・・・・参ります。」

一瞬驚いたように息を呑んだ藤宮様は。
その後にっこりと微笑まれ。

「お待ちしております。」

そうおっしゃって下さった。



部屋を出た後も、心臓がばくばくと大きな音を立て続けていた。

今夜ばかりは感謝しておこう。
あの破天荒な姫君に。








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コメント

オレンジサワー様

完全完結致しました~!!
本当に最後まで応援、ありがとうございましたm(__)m
オレンジサワー様のコメントでどれだけ頑張れたことか!!
だからこその21話だったと思います。
書いていて楽しかったし、コメント読むのも楽しかったですww

おまけ話も楽しんで頂けたようで良かったですww
二人の良いところで邪魔が入りましたが、その後・・・・ムフフな夜になったはず!!
間違いない!!(笑)

良かったまたキリリクも狙って下さいね!!
コメントも時々頂けたらまた書く気力がわきますww
受験のお話もまた聞かせて下さいね!!
因みに、うちの息子君はすっかりやる気なしなしモード突入ですよ(;^ω^)

ふにゃろば様

いつもコメントありがとうございます!!

秋篠様は完全なる役得!!(笑)
これまで苦労しましたからねー。
超甘々な夜を過ごしてくれたことでしょうww
書いてみたいけど、鼻血もので書けない!!(笑)
藤宮様も大人の女だから・・・・( *´艸`)

罰が当たるどころか、昇天してることでしょう(笑)

蘭様

いつもコメントありがとうございます!!

最後まで応援ありがとうございましたww
(* ̄▽ ̄)フフフッ♪
今夜参ります・・・・
秋篠様の頭の中はあれやこれやでいっぱいのはず!!!(笑)
きっとあまーい夜になったことでしょうね♪

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