あの日のあなたを探してる・20

999999hitキリリク作品、平安のお話です。

リク主:オレンジサワー様
リク内容:鷹男と瑠璃が子供時代に出会うお話

とうとう最終話です!!

**********

  『 あの日のあなたを探してる・20(最終話) 』

「瑠璃様、もうすぐでございますわね。」

「そうなんですよ。もう家にいると父様が五月蠅いので呼んでいただけて助かりました。」

「大納言様・・・・ではなく今は内大臣様でしたわね。
 内大臣様も大切な娘を入内させるのですから色々とご心配なのでしょう。」

「まぁ、色々な意味でそうでしょうねぇ。」

そう言って、入内を告げた時の事を思い出して噴き出しそうになってしまった。
だって父様の顔色ったら、青を通り越して土色だったもの。
一緒にお話をしてくれた秋篠様も心配されるくらいの様子で。
しばらくは口もきけずに固まっていた。

それでも何とか抵抗しようとする父様だったけど、
秋篠様から、「お二人は既に固い絆で結ばれております・・・・」って言われて観念したらしい。

だってねぇ。
お二人は既に既成事実がございます。って言われたも同然だしね。

聞いているあたしも実は相当恥ずかしかったわよ!
これが嘘の話だったらまだしも、事実・・・・なのだから。
あの夜の出来事を、近くで秋篠様に聞かれていたのかと思うと、益々恥ずかしくて。
取り敢えず何も考えない事にした。

とにかく観念した父様は直接鷹男・・・・東宮様とお話をされて。
無事入内が決まったらしい。
根回しもあっという間に済んだらしい。
流石は父様よ。案外政治手腕には長けているのね。

あれから三月。
入道事件がようやく収まって。
世間が静けさを取り戻してきたころ、帝が御譲位されることになって。
当然鷹男が帝に即位することになった。
それに合わせて、父様も秋篠様も出世した。
父様は内大臣に。
秋篠左近少将様は権中将様になられた。

そしてあたしは・・・・鷹男が帝に即位するのと同時に、女御として入内することが決まった。

鷹男は今すぐにでも入内させろ!と父様に迫ったらしいのだけど。
やはり慣例というものもあるらしく、父様だけでなく重臣たちに固く反対されて。
即位と同時という事で収まったらしい。
それでも異例の速さらしいけど。

入内まであと半年。
今まで会えなかったことを考えればそれくらいあっという間なのに、鷹男にはそれが相当長いらしくて。
早く会いたい云々のお文が毎日のように届く。
まぁ、嬉しくない訳じゃないけど、あたしってまめな方じゃないし、気が向いた時にしか返事はしていなかった。
半年したら毎日会えるんだしね!!

取り敢えず今を楽しもうと!!
そう思ったのに、とにかく父様が五月蠅くて。
やれ筝の琴を練習しろとか、礼儀を学べとか。
そんなんで毎日喧嘩。
そんな中、藤宮様が遊びにいらっしゃいと誘って下さったものだから、逃げるようにして此処、二条堀川邸にやってきたのだ。



「それにしても浪漫ですわねぇ。
 まさか瑠璃様が東宮が探していた吉野の姫君でしたなんて!!」

そう言ってうっとりとされる藤宮様。
これまでの経緯は秋篠様からおおよそ聞いてはいたらしいのだけど。
ついさっき、あたしの口からも全てを説明させて頂いた。

「本人にもお聞きになられたと思いますが、東宮は本当に必死に探していたのですよ。」

「そのようでございますね。」

「奇跡のような出会いですわ。」

再びうっとりとされてしまった藤宮様。
どうやらこの手のお話がお好みのようだ。

「ふふふ。それにしても秋篠様も考えたものですわね。
 お二人に既成事実があったことにして内大臣様を納得させようだなんて。」

「えっ!?あ、あぁ・・・・はい・・・・」

「内大臣様もさぞかし驚かれたでしょう。」

「そ、そうですね・・・・」

流石に、それ、ふりじゃなくて本当にあったんです。
なんて言えないっ!!
落ち着けあたし!!
と自分に活を入れ、藤宮様に気付かれないよう、笑って誤魔化した。

「東宮も待ち遠しいでしょうね。」

「え?な、何がですか?」

「ふふふ。既成事実が本当の事になる日の事が・・・・ですわ。」

うっすらと頬を赤らめてそうおっしゃる藤宮様。
もうやめてー!!
そう思った時、部屋の外から周防さん(藤宮様の女房)が声をかけてきた。

「お話中失礼致します。
 秋篠権中将様がいらっしゃいました。」

「まぁ、秋篠様が!?急にどうされたのかしら。
 すぐにお通しして。」

と、藤宮様が返事するのと同時に襖がぱっと開けられて。
案内もされていないのに秋篠様が部屋に入ってこられた。
いや違う。
とある方に付き添う形で秋篠様が入ってこられた。

嘘でしょー!!

「鷹男!?」

なんで此処に鷹男が!?
そう思って藤宮様を見ると、藤宮様もご存知なかったらしく困ったような顔をしている。
それでも慣れたようにぱぱっと座を設えると、当然のようにそこに鷹男が腰を下ろして。
あっという間に人払いも済ませて四人きりになった。

「東宮・・・・・また勝手に抜け出して来たのですか?」

少しお怒りの様子の藤宮様。
でも鷹男は我関せずな顔で。

「例の事件の雑務で忙しかったのです。少しは労って下さい。」

「まぁ、それは勿論ですわ。ですが勝手に抜け出して来られるのは・・・・」

「こちらに瑠璃姫が来ていると聞いたのでね。」

後ろで秋篠様がはぁ・・・・と溜息を吐いているところを見ると、反対を押し切って無理やり出てきたようだ。

「まぁ気持ちはわからなくもありませんが・・・・・
 来てしまったものは仕方ありませんね。
 ですが、すぐにお帰り下さいね。ばれたら大変なことになりますから。」

「そんな固い事をおっしゃらないで下さい。
 こうして愛しい姫を目の前にして帰れとおっしゃるのですか?」

「今すぐにとは申しておりません。
 ですが夜のうちにお帰り下さい。」

「それは無理というものです。」

そう言うと、鷹男は後ろにいる秋篠様に合図を送った。
何か嫌な予感。
すると秋篠様がやれやれ・・・・と言った感じで藤宮様におっしゃられた。

「色々と手は回してまいりましたので・・・・早朝までならばなんとか・・・・」

「東宮、また秋篠様に我儘をおっしゃったのですね。」

「まぁ言わなかったといえば嘘にはなりますが、秋篠も喜んでいますからね。」

「え?」

「藤宮に会えるとなればどんな手も尽くしますよ。この男は。」

鷹男がにやりと笑ってそう言うと、秋篠様が真っ赤になって否定した。

「と、東宮様っ!!おかしな事をおっしゃらないで下さい!!!」

以前あたしが藤宮様にちくった事もあってか、何やら感づかれた藤宮様はうっすらと顔を赤らめている。
秋篠様!決めるなら今夜よ!!
そう思ったからついつい口出ししてしまった。

「秋篠様、あたしとの噂を立てられて色々と大変だったのですから、今こそ素直になって藤宮様に・・・・・」

藤宮様に告白しちゃって!と言いそうになって。
秋篠様に物凄い目で睨まれていることに気が付いて慌てて口を噤んだ。
すると、秋篠様がとんでもない反撃に出てきた。

「東宮様、朝までたっぷり時間はありますのでどうぞ瑠璃姫様と二人きりでごゆっくりとお過ごしくださいませ。
 部屋には誰も近づけませんので。」

そんな恥ずかしい事を言い出した。

「まぁ!!」

藤宮様が更に顔を赤らめて。
それでいて興味津々なお顔であたしを見ている。
そして鷹男は超満足そうな笑みを浮かべている。

朝まではたっぷり時間があり過ぎて・・・・怖い気がするのは気のせいじゃないと思う。

「まぁまぁそうでございますわよね。
 御入内までお二人にとっては長い時間がありますものね。」

そうおっしゃって、真っ赤なお顔であたしの顔を見ておっしゃられた。

「あの・・・・・瑠璃様・・・・・
 うちの女房しかおりませんが大丈夫・・・・かしら?」

どうやらあたしが初めてだと勘違いして気遣ってくれたらしい。
色々と・・・・お付きの女房がいた方が安心だろうとの御配慮なのだろう。

此処で、実はあたし初めてじゃありません!なんて言えるわけがない!!

そう思って困っていると、秋篠様がいらぬ事を口にした。

「藤宮様、お二人はこれが初めてではございませんので・・・・
 心配はございません。」

「まぁぁぁぁぁ!!!!」

これまで以上に真っ赤になられてしまった藤宮様は、チラリとあたしを見て。
ふふふ・・・・とお笑いになって、そのまま部屋を出て行かれてしまった。

秋篠様!!なんてことを言ってくれたのよ!!
そう思ったから、まだ部屋を出たばかりの藤宮様にも聞こえるように大声で言ってやった。

「秋篠様も藤宮様との二人きりの夜を大切にお過ごしくださいね!」って。

一瞬固まった秋篠様は、キッ!とあたしを睨んで部屋を出ていかれた。
はぁ。やれやれだわ。
まぁ、ちょっと恥ずかしかったけど、これを機にお二人も接近してくれれば嬉しいな。

なんて思っていた瞬間。
急に腕を引かれて驚いた。

気付いたらすっぽりと鷹男の腕の中に抱き込まれていた。

そ、そうだった!
もうこの部屋には二人きり・・・・・

「姫・・・・・ようやく二人きりになれましたね。」

「う、うん・・・・・」

そのままそこに押し倒してきそうな勢いの鷹男を止める為に、慌てて言った。

「た、鷹男?夜は長いし色々お話・・・・しよう?」

「話?・・・・・そうですね。」

そう言うと、急に鷹男の顔が曇った。

「あなたは私が想っているほど私の事を想ってくれてはいないのでしょうか?」

「え?」

「文を書いてもほとんど返事は下さらない。
 こうして久しぶりに会えても、さほど嬉しそうではありませんね。」

「な、何言ってるのよ!嬉しいに決まってるじゃない!」

「本当に?」

「一応これでも我慢してるんだよ?
 鷹男は東宮様だから会いたいとか我儘言っちゃいけないって。」

それは本当だ。
好きな人に会いたくない訳がない。
半年は案外長いなぁって思ってた。

「安心しました。」

鷹男は心底安心したようにそう言うと、輝くような笑顔を見せてくれた。
あぁ、この笑顔。
五年前と全然変わらない。

「鷹男!」

「はい、何でしょう?」

「大好き!!!」

心から溢れる気持ちをどう表現して良いかわからずそう言ったら。

「わわっ!!」

あっという間に押し倒されて。
鷹男の熱い唇が深く重なった。
息が出来ないくらい、何度も何度も重ねられる唇。

そして・・・・

「私も大好きです、姫。」

そう言ってくれた。
やっぱり言葉の力って凄い。

しばらく会えなくて固くなっていた心に一気に熱い何かが流れ出して。

あたし達は互いが溶け合ってしまうくらい抱き締め合った。






「ねぇ、鷹男・・・・・あたし、ずっと鷹男と一緒にいたい。」

ふっと小さく笑った鷹男は当然のように言った。

「ずっと一緒にいましょう。」


昔そんな言葉を交わし合ったなぁ・・・・なんて考える間もなく。
再び鷹男の熱い唇が落ちてきた。





了 (おまけ話に続く)




後書き
最後まで読んで下さってありがとうございます(≧▽≦)
ようやく終わりました~
10話程度で終わるかな~と思っていたのに、気付いたら20話になっていました(笑)
ありきたりなラストになってしまいましたが、二人のラブラブな未来を想像して書きましたww
楽しんで頂けたら嬉しいです。
本編はこれにて終わりですが、1話だけおまけ話を用意しています。
(秋篠様と藤宮様のお話となります)
最後に、リクを下さったオレンジサワー様、沢山の応援を下さってありがとうございましたm(__)m
とってもとっても励みになっておりました。
少しでも気に入って下されば幸いですww
りく


ランキングに参加しています。ポチッと応援よろしくお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

関連記事
ポチッとして頂けると嬉しいです!
web拍手 by FC2

コメント

オレンジサワー様

最後まで応援&コメントありがとうございました!!
全話にコメント下さって本当にありがとうございます。
私がどれだけ励まされたことか(涙)

リクエストにきちんと応えられたかどうか、とっても不安ですが・・・・
楽しんで下さったと聞いて安心しましたww
やはりリク主様に喜んで頂けるのが一番なので!!
(* ̄▽ ̄)フフフッ♪おっしゃるとおり!
やはりラブコメは朝チュンと王道が最高ですww

次の連載はガラッと雰囲気が変わりますが、また読んで頂けると嬉しいです。
時々こうしてコメント頂けたらもっと嬉しいです!!

同じ受験生を持つ親同志!!
今度是非ゆっくりとお話をしたいですww

蘭様

いつもコメントありがとうございますww

最終話、楽しんで頂けたでしょうか?
ハピエンは私の主義なので、そこは曲げられませんよねー(笑)
ラブ度が少なかったので心配していましたが、大丈夫でしたでしょうか?
たまには超甘々なものを書いてもいいかもですねーww

次の連載作品もどうぞよろしくお願いしますm(__)m

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです
Secret

FC2カウンター

プロフィール

りく

Author:りく
まず最初に ◆はじめに をお読み下さい。

最新記事

ランキングボタン

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

最新コメント

カレンダー

01 | 2020/02 | 03
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29

カテゴリ

オンラインカウンター

現在の閲覧者数:

Twitter

Copy Code

リンク

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブログ村ランキング

検索フォーム

QRコード

QR

RSSリンクの表示